夜をこえて朝を想う
「もう少し、飲むか。」

二人でゆっくりと食事と酒を楽しんだ。

「直ぐにお布団、ご用意致しましょうか?」

中居さんの気遣いに

「お願いします。」

即答した。

多少、意味深な視線が気になったが…

やましい関係ではないので、流した。

すでに、眠そうな湊はともかく。

ドアが閉まると同時に、口を塞ぐ。

「せっかちだなぁ。清水部長。」

くすくす笑う湊に、応戦する。

「いいね、浴衣。そそる。」

「じゃあ、着とくけど?」

「脱がすのが。」

「今、お腹出てる。」

「よしよし、しっかり食べたな。」

「でも、お酒入ると気持ちんだよね。」

…今くらい飲んでしたのは…初日くらいだけど。

「もっと、気持ちよく…」

「…せっかち。」

「そらね。後で、風呂入るから…」

「うん。」

「気兼ねなく、舐めまわせる。」

…我ながら…オッサン発言だな。

だけど…もう、突っ込む余裕もないのだろう湊に

俺も余裕を無くす。

「もうね、何されても気持ちいいの。何でだろ。」

くったりと俺に身を任せる湊が

可愛くて仕方がない。

「…愛だろ、愛。」

「ん、俊之大好き。」

「俺も。」

この間だけ、俊之と呼ぶのもエンドルフィンのせいなのか…

長い夜に…なりそうだ。

幸せな、夜に。

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