夜をこえて朝を想う
「何、食べたい?」

「出世…舟盛りとか?」

出世魚…

未だ、目指せ、大きい魚。

「いいね。」

「日本酒。」

「いいね。」

「浴衣。」

「いいね。」

…清水部長の浴衣…

社員旅行で接待されてそう!

ホステスさん、呼んでそう!

「ぶはっ。」

「何だよ。」

「似合うね。」

「…絶対褒めてない。」

「それも含めて、楽しみ。」

ある意味、似合う。

「そうだな。」

そう言うと、私を抱き寄せる。

「泣き虫。」

「…だってさ。笑わすんだもの。」

「露天風呂付きの部屋ね。」

「うわー…」

それって、とってもアダルト。

「あんなこと、こんなこと、しような。」

抱き締めて耳元で言ってくる。

あっちこちに口付けながら…。

その日、清水部長は身体中にキスの雨を降らせ

ただ、抱き締めくれた。

「したいなー…でもなー、会う度とか言われるしなぁー…」

「あのねぇ、その一人言…ってか心の声?」

「はは!冗談だよ。」

…別に、いいんだよ。

私、だけなら…

まぁ、でも…

いいか、こんな日も。

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