夜をこえて朝を想う
週末になって、昼を過ぎたくらいに吉良くんと梓の家へ向かった。
今日、会えたらいいのに。
吉良くんがインターホンを押す。
中からの反応はなかった。
暫く様子を伺ったが、居留守でもなさそうだ。
そこから、梓の家が確認出来る場所で暫く待ったが、帰ってくる気配はなかった。
あ…家より…確実なのが…あった。
「ねぇ、ごめん…」
「え?いいよ。…仕方ない。湊のせいじゃないし、家が分かっただけでも…」
「いえ、あの…仕事には行ってるのだから…梓の会社で待った方が確実だった…。」
「あ…ほんとだ。」
「バカだ…。今気づいた。」
「あ、でも家知りたかったし。うん、会社帰りにでも寄れる。」
「…ごめんね。」
「いいよ。」
そう言って笑い合った。
「どこなの?会社。」
「あ、Theオフィス街。なんだけどね。」
「うちもだよ。」
そう言って、名刺を出した。
「取引先があるから、そこそこ土地勘もある。それに…しょっちゅう行くわ。」
「そうなの?私の会社も近いの。…私、あんまり会社に居ないんだけど…よく会ってた。梓と。」
「行くわ。」
「うん、よろしくね。」
梓の名刺を吉良くんに渡すと、そう言った。
もう少し待ってみる。
そう言った吉良くんを残し、先に帰った。
だけど、その日会えることはなかったと、吉良くんからメッセージを受け取った。
梓の心配をするのが、一人ではなくなって、心強かった。
頼っていい相手なのか、分からないけど
少し気持ちが軽くなった。
次の週は、梓の会社へ。出勤はしている。だから、今日は確実に会えるだろう。
先に、梓の会社の前で見張るように待っていた。
到着した吉良くんが
「ごめん、ありがとう。寒かったよな。」
「ううん、大丈夫。まだ出てきてないよ。」
そう言って、私に自分のマフラーを巻いた。
「わぉ、紳士~!…ありがとう。」
茶化すしかない。
こんな事を普通に出来る彼の暖かさがマフラーから伝わる。
何だか、恥ずかしい…
「あ、吉良くん名刺頂けない?この前は私も持ってなくて。」
「お、いいね。」
「ワタクシ、こういう者です。」
ふざけながら、名刺を渡した。
「頂戴致します。」
彼も乗ってくれる。
今日、会えたらいいのに。
吉良くんがインターホンを押す。
中からの反応はなかった。
暫く様子を伺ったが、居留守でもなさそうだ。
そこから、梓の家が確認出来る場所で暫く待ったが、帰ってくる気配はなかった。
あ…家より…確実なのが…あった。
「ねぇ、ごめん…」
「え?いいよ。…仕方ない。湊のせいじゃないし、家が分かっただけでも…」
「いえ、あの…仕事には行ってるのだから…梓の会社で待った方が確実だった…。」
「あ…ほんとだ。」
「バカだ…。今気づいた。」
「あ、でも家知りたかったし。うん、会社帰りにでも寄れる。」
「…ごめんね。」
「いいよ。」
そう言って笑い合った。
「どこなの?会社。」
「あ、Theオフィス街。なんだけどね。」
「うちもだよ。」
そう言って、名刺を出した。
「取引先があるから、そこそこ土地勘もある。それに…しょっちゅう行くわ。」
「そうなの?私の会社も近いの。…私、あんまり会社に居ないんだけど…よく会ってた。梓と。」
「行くわ。」
「うん、よろしくね。」
梓の名刺を吉良くんに渡すと、そう言った。
もう少し待ってみる。
そう言った吉良くんを残し、先に帰った。
だけど、その日会えることはなかったと、吉良くんからメッセージを受け取った。
梓の心配をするのが、一人ではなくなって、心強かった。
頼っていい相手なのか、分からないけど
少し気持ちが軽くなった。
次の週は、梓の会社へ。出勤はしている。だから、今日は確実に会えるだろう。
先に、梓の会社の前で見張るように待っていた。
到着した吉良くんが
「ごめん、ありがとう。寒かったよな。」
「ううん、大丈夫。まだ出てきてないよ。」
そう言って、私に自分のマフラーを巻いた。
「わぉ、紳士~!…ありがとう。」
茶化すしかない。
こんな事を普通に出来る彼の暖かさがマフラーから伝わる。
何だか、恥ずかしい…
「あ、吉良くん名刺頂けない?この前は私も持ってなくて。」
「お、いいね。」
「ワタクシ、こういう者です。」
ふざけながら、名刺を渡した。
「頂戴致します。」
彼も乗ってくれる。