夜をこえて朝を想う
「あ、だけど次回は暫くしたら先に帰るね。やっぱり…2人で話して欲しい。」
そう言った。
私がいたら話せない事もあるだろうし、
…やっぱり邪魔者だ。
「分かった。ありがとう、湊。」
「ハンカチ…使って返すね。」
「洗って返すね。だ、馬鹿。」
「あは。そうします。そして、次は持参します。マイハンカチーフ。」
「バスタオルにしとけよ。」
「…泣かすなよ。」
「いや、今の泣くとこじゃねーし。」
「実は…泣くのを見越して…アイメイクはしてないの。」
「そこ気にするなら、ハンカチ!」
「しっ!夜ですよ。」
そう言って二人で笑った。
楽しいやり取り。
だけど、これ以上…違う感情が、私の中に芽生えないように
茶化す事しかできなかった。
羨ましい。
こんなにも大切にされた、梓が。
そして、こんな私にも…
彼の優しさが辛かった。
彼と別れると、マフラーを外してバッグにしまった。
彼の暖かさも、バッグの中へ。勘違いしないように取り払った。
首に感じる冷気の冷たさが、私の熱も冷ましてくれますように。
ただ、梓がいい方向へ
進む。
それが、私の喜びだった。
だから、それでいい。
それから、吉良くんから連絡があって
水曜日にまた会うことになった。
前回同様、梓の会社まで行こう。そう言った吉良くんも…まだまだ心配なのだろう。
優しい人。本当に。
水曜日、吉良くんと待ち合わせをして梓の会社へ。
彼の首にこの前借りたマフラーを掛けた。
「寒いんだから、しとけばいいだろ。」
「あ、そうか…。悪いかなって…。」
出来るわけ、ないんだ。
でも、自然にそう言う彼に安心した。
そらそうか、梓の友達。
気にするわけ、なかった。
彼が、不意に違う方向を向く。何かを探すように。
「湊、ちょっとごめん。」
断りを入れると、一人の女性の方へ歩み寄った。
彼は、その女性の顔にそっと…触れた。
この距離からでも分かる。
物凄く、綺麗な人!!
彼が彼女から離れると、彼女に頭を下げた。
彼女も会釈を返してくれた。
…もしかして…
そう言った。
私がいたら話せない事もあるだろうし、
…やっぱり邪魔者だ。
「分かった。ありがとう、湊。」
「ハンカチ…使って返すね。」
「洗って返すね。だ、馬鹿。」
「あは。そうします。そして、次は持参します。マイハンカチーフ。」
「バスタオルにしとけよ。」
「…泣かすなよ。」
「いや、今の泣くとこじゃねーし。」
「実は…泣くのを見越して…アイメイクはしてないの。」
「そこ気にするなら、ハンカチ!」
「しっ!夜ですよ。」
そう言って二人で笑った。
楽しいやり取り。
だけど、これ以上…違う感情が、私の中に芽生えないように
茶化す事しかできなかった。
羨ましい。
こんなにも大切にされた、梓が。
そして、こんな私にも…
彼の優しさが辛かった。
彼と別れると、マフラーを外してバッグにしまった。
彼の暖かさも、バッグの中へ。勘違いしないように取り払った。
首に感じる冷気の冷たさが、私の熱も冷ましてくれますように。
ただ、梓がいい方向へ
進む。
それが、私の喜びだった。
だから、それでいい。
それから、吉良くんから連絡があって
水曜日にまた会うことになった。
前回同様、梓の会社まで行こう。そう言った吉良くんも…まだまだ心配なのだろう。
優しい人。本当に。
水曜日、吉良くんと待ち合わせをして梓の会社へ。
彼の首にこの前借りたマフラーを掛けた。
「寒いんだから、しとけばいいだろ。」
「あ、そうか…。悪いかなって…。」
出来るわけ、ないんだ。
でも、自然にそう言う彼に安心した。
そらそうか、梓の友達。
気にするわけ、なかった。
彼が、不意に違う方向を向く。何かを探すように。
「湊、ちょっとごめん。」
断りを入れると、一人の女性の方へ歩み寄った。
彼は、その女性の顔にそっと…触れた。
この距離からでも分かる。
物凄く、綺麗な人!!
彼が彼女から離れると、彼女に頭を下げた。
彼女も会釈を返してくれた。
…もしかして…