夜をこえて朝を想う
第10話
side S
どちらも、担当というのは良いね。
意図せず状況が、分かる。
次の週は商談ルームへ…吉良君が入ってきた。
「さて、先に仕事の話する?…それとも…」
「仕事以外でする話…ありませんよ、僕には。」
…こっちの方が、重症、だな。
「案外、張り合いがないんだね。」
この前と同じ言葉を送った。
「…ご存知ですよね、俺は…」
知り合いと関係のあった女性は無理だって事だろ?
“僕”じゃなくて“俺”って言っちゃってるけどね。
「うん、そうだね。何があったか、聞かないの?」
「聞いて…欲しいんですか?」
「…ああ、聞いて欲しいね。」
聞いてくれたら、説明するつもりだった。
ああなったのは、誰のせいかも。
「聞きたく、ないです。」
間髪いれずに、そう言った。
「後悔するよ。」
「後悔は…もっと前にしてるんで。」
なるほど、自分のせいだということは、分かっているんだ。
「はは、そっか。じゃ、仕事ね。」
「はい。」
そこから、彼は淡々と仕事を終え
仕事以外の話をすることなく、帰って行った。
明らかに、生気のない顔に…絶望の色。
あんな彼を見るのは初めてだった。
俺の話を、聞こうとしないところも。
麗佳への気持ちも変わらないだろう。
だからこそ、葛藤してるのか。
過去も…解決したのだろうか…
あれ…彼も何をしていたのだろう、あそこで…
あれは…あの時間帯だと、帰っていない。
つまり、誰かと一晩過ごしたのか?
…じゃあ
人の事は言えない。
“知り合いと関係があった女は無理”
そう言う彼ならば、自分も“好きな女以外は無理”
だろう。だから、何かあった訳ではない。
と、すると…
引っかかるのは、“俺と関係があった”事だろう。
実際は、なかった。
むしろ、巻き込まれた感、満載だ。
お互い様。
それが分かれば…
うん、大丈夫だ。
麗佳が何とかするか。
意図せず状況が、分かる。
次の週は商談ルームへ…吉良君が入ってきた。
「さて、先に仕事の話する?…それとも…」
「仕事以外でする話…ありませんよ、僕には。」
…こっちの方が、重症、だな。
「案外、張り合いがないんだね。」
この前と同じ言葉を送った。
「…ご存知ですよね、俺は…」
知り合いと関係のあった女性は無理だって事だろ?
“僕”じゃなくて“俺”って言っちゃってるけどね。
「うん、そうだね。何があったか、聞かないの?」
「聞いて…欲しいんですか?」
「…ああ、聞いて欲しいね。」
聞いてくれたら、説明するつもりだった。
ああなったのは、誰のせいかも。
「聞きたく、ないです。」
間髪いれずに、そう言った。
「後悔するよ。」
「後悔は…もっと前にしてるんで。」
なるほど、自分のせいだということは、分かっているんだ。
「はは、そっか。じゃ、仕事ね。」
「はい。」
そこから、彼は淡々と仕事を終え
仕事以外の話をすることなく、帰って行った。
明らかに、生気のない顔に…絶望の色。
あんな彼を見るのは初めてだった。
俺の話を、聞こうとしないところも。
麗佳への気持ちも変わらないだろう。
だからこそ、葛藤してるのか。
過去も…解決したのだろうか…
あれ…彼も何をしていたのだろう、あそこで…
あれは…あの時間帯だと、帰っていない。
つまり、誰かと一晩過ごしたのか?
…じゃあ
人の事は言えない。
“知り合いと関係があった女は無理”
そう言う彼ならば、自分も“好きな女以外は無理”
だろう。だから、何かあった訳ではない。
と、すると…
引っかかるのは、“俺と関係があった”事だろう。
実際は、なかった。
むしろ、巻き込まれた感、満載だ。
お互い様。
それが分かれば…
うん、大丈夫だ。
麗佳が何とかするか。