夜をこえて朝を想う
まだ暗いうちに目を覚ました。
…広いベッド。
一人で寝るには…広い。
ここで…いつもは誰と眠っているのだろう。
傷つく人がいる。
前回同様の、激しい自己嫌悪。
そして、粉々になる取り繕った自尊心。
小さく、でも…数多く残る、痕に痛みが走る。
やめよう、不毛な…先のない関係など。
分かっている。
吉良くんにも…申し訳ない。
また、迷惑を…掛けてしまう。
私のせいで…だから…
そっとベッドに腰かけると、下着をつける。昨日と同じ…
仕方がない。
一度家に帰ろう。
そう思って立ち上がろうとする。
その力が反対に動く。
腕を掴まれ、そのままベッドに倒された。
「何?また、帰るの。」
「…あ…だって、下着…」
「ああ、気持ち悪い?
…送る。」
「いい。明るくなってるし、電車も動いてる。送ってると遅刻しちゃうでしょ。部長。」
そう言って笑って誤魔化した。
「…今月はちょっと忙しいけど、時間作るから。」
そう言った彼に、自分からキスをした。
「うん、連絡待ってる。」
そう言って、彼のマンションを出た。
何より驚いたのは、私のマンションと目と鼻の先だったこと。
よく、今まで会わなかったものだ。
そらそうか、会ってても、知らない人だったわけだから。
先週までは…。
知られる訳にはいかないな。
念のため、駅の方向へ歩いてから方向転換した。
私のマンションは、彼のマンションより駅から遠かった。
お陰で、彼がうちの方向へ来ることはないだろう。
引っ越そう。
怖かった。
これ以上、彼に…心奪われるのが。
『うん、連絡待ってる。』
そんな言葉が、自分から出たことに
自分から、彼にキスした事に。
それが…なぜかも…
分かっている。本当は。
だから、だからこそ。
私は彼への道を断つように、引っ越しを決めた。
どのみち、心機一転
そう、だからこそ。
…広いベッド。
一人で寝るには…広い。
ここで…いつもは誰と眠っているのだろう。
傷つく人がいる。
前回同様の、激しい自己嫌悪。
そして、粉々になる取り繕った自尊心。
小さく、でも…数多く残る、痕に痛みが走る。
やめよう、不毛な…先のない関係など。
分かっている。
吉良くんにも…申し訳ない。
また、迷惑を…掛けてしまう。
私のせいで…だから…
そっとベッドに腰かけると、下着をつける。昨日と同じ…
仕方がない。
一度家に帰ろう。
そう思って立ち上がろうとする。
その力が反対に動く。
腕を掴まれ、そのままベッドに倒された。
「何?また、帰るの。」
「…あ…だって、下着…」
「ああ、気持ち悪い?
…送る。」
「いい。明るくなってるし、電車も動いてる。送ってると遅刻しちゃうでしょ。部長。」
そう言って笑って誤魔化した。
「…今月はちょっと忙しいけど、時間作るから。」
そう言った彼に、自分からキスをした。
「うん、連絡待ってる。」
そう言って、彼のマンションを出た。
何より驚いたのは、私のマンションと目と鼻の先だったこと。
よく、今まで会わなかったものだ。
そらそうか、会ってても、知らない人だったわけだから。
先週までは…。
知られる訳にはいかないな。
念のため、駅の方向へ歩いてから方向転換した。
私のマンションは、彼のマンションより駅から遠かった。
お陰で、彼がうちの方向へ来ることはないだろう。
引っ越そう。
怖かった。
これ以上、彼に…心奪われるのが。
『うん、連絡待ってる。』
そんな言葉が、自分から出たことに
自分から、彼にキスした事に。
それが…なぜかも…
分かっている。本当は。
だから、だからこそ。
私は彼への道を断つように、引っ越しを決めた。
どのみち、心機一転
そう、だからこそ。