夜をこえて朝を想う
第2話
side M
「湊が悪いんじゃないよ。」
疲れ果てて、何も出来なくなった私に
その子はそう言ってくれた。
今から考えると、何で?とは思う。
希望の大学に入学出来て浮かれていた。
沢山の部活や、サークルの勧誘。
1つ2つしか変わらない年の先輩が妙に大人に見えて、何だか、こそばいような…
そこに、やられた。高校みたいに、“先輩”って呼ばず男の子でも“さん”の敬称。
そのうちの1つ、熱心に勧誘してくれたサークルに入った。
元々、大好きなクリエイティブ系の。
そこで知り合った先輩は、親切に大学の事を色々教えてくれた。
この教授の授業は出なくても大丈夫、とか。
単位が取りやすい、とか。
もて余す程ある時間を如何に遊びに使うか
高校とは違う、大人の自由さ。
色んな遊びも教えて貰った。
遊ぶくらいのお金は、バイトで稼げたし、車を持ってる人もいる。
サークルで過ごす時間が長くなっていた。
「湊ちゃんて、彼氏いるの?」
そう聞かれたときに、聞き返せば良かった。
“先輩、彼女は?”なぜ聞かなかったのだろう。
「いませんよ。」
「そうなんだ!じゃあさ、今度…誘ってもいい?……2人で。」
私をこのサークルに熱心に誘ってくれた先輩がそう言った。
誘われるままに、頷くと
正直、浮かれた。
後日、彼の運転する車でドライブに出かけた。
帰り際、車の中でキスされた。
「好きに…なっちゃったかも。俺。」
彼のそんな言葉に益々浮かれた。
彼氏が出来る。そう思った。
それから、間もなく…サークルの買い出しを手伝って欲しいと、他の先輩に声を掛けられ
快諾した。
待ち合わせ場所に行くと、他のメンバーはおらず…私だけだった。
「ごめん、口実だったんだ…俺、湊ちゃんのこと…気になってて…」
そう言うと、彼は私の手を取った。
慌てて手を引っ込めたけど…
それを誰かに見られていたと、後で知った。
「ごめんなさい。私…斉藤さんが…」
そこまで言うと、信じられない言葉が彼から出た。
「斉藤?アイツ、彼女いるよ。サークルの恵子。」
…え?
彼女?
しかも…恵子さん?
恵子さんは、サークルの中心的な人だった…
キス…
目の前が真っ暗になった。
どうしていいか、分からない。
サークル内で二股を?
浮気相手って事?
思い返せば…
これが最初だった。
私の一番になれない…恋は。
疲れ果てて、何も出来なくなった私に
その子はそう言ってくれた。
今から考えると、何で?とは思う。
希望の大学に入学出来て浮かれていた。
沢山の部活や、サークルの勧誘。
1つ2つしか変わらない年の先輩が妙に大人に見えて、何だか、こそばいような…
そこに、やられた。高校みたいに、“先輩”って呼ばず男の子でも“さん”の敬称。
そのうちの1つ、熱心に勧誘してくれたサークルに入った。
元々、大好きなクリエイティブ系の。
そこで知り合った先輩は、親切に大学の事を色々教えてくれた。
この教授の授業は出なくても大丈夫、とか。
単位が取りやすい、とか。
もて余す程ある時間を如何に遊びに使うか
高校とは違う、大人の自由さ。
色んな遊びも教えて貰った。
遊ぶくらいのお金は、バイトで稼げたし、車を持ってる人もいる。
サークルで過ごす時間が長くなっていた。
「湊ちゃんて、彼氏いるの?」
そう聞かれたときに、聞き返せば良かった。
“先輩、彼女は?”なぜ聞かなかったのだろう。
「いませんよ。」
「そうなんだ!じゃあさ、今度…誘ってもいい?……2人で。」
私をこのサークルに熱心に誘ってくれた先輩がそう言った。
誘われるままに、頷くと
正直、浮かれた。
後日、彼の運転する車でドライブに出かけた。
帰り際、車の中でキスされた。
「好きに…なっちゃったかも。俺。」
彼のそんな言葉に益々浮かれた。
彼氏が出来る。そう思った。
それから、間もなく…サークルの買い出しを手伝って欲しいと、他の先輩に声を掛けられ
快諾した。
待ち合わせ場所に行くと、他のメンバーはおらず…私だけだった。
「ごめん、口実だったんだ…俺、湊ちゃんのこと…気になってて…」
そう言うと、彼は私の手を取った。
慌てて手を引っ込めたけど…
それを誰かに見られていたと、後で知った。
「ごめんなさい。私…斉藤さんが…」
そこまで言うと、信じられない言葉が彼から出た。
「斉藤?アイツ、彼女いるよ。サークルの恵子。」
…え?
彼女?
しかも…恵子さん?
恵子さんは、サークルの中心的な人だった…
キス…
目の前が真っ暗になった。
どうしていいか、分からない。
サークル内で二股を?
浮気相手って事?
思い返せば…
これが最初だった。
私の一番になれない…恋は。