夜をこえて朝を想う
「そう言えば…」
今さらながら、彼女の事を何も知らなかった。
「独り暮らしだよな?」
「そうだよ。」
「呼んでくれてもよくない?」
「散らかってるの。すっごい。」
「俺もだよ、それは。」
「綺麗だよ、ここは。」
「はは!あっちに、詰め込んでるから。」
毎日、寝る為に帰って来てるに過ぎない。
最低限のベッドをキープするために、片方の部屋は…ぐちゃぐちゃだ。
「玄関迄でいいなら、行ってみる?」
「何で玄関なんだよ。」
「散らかってるんだって。」
「…忙しいもんな、湊も。」
「いこ。」
「は?今から?」
彼女は俺の手を取って立ち上がった。
外に出ると、手を離して先々と歩いて行った。駅とは逆方向へ。
意味は分からないが、彼女に続いた。
歩いて数分のマンションへ、入って行く。
「…嘘だろ?」
「本当。」
「こんなに、近いのかよ。」
ドアを開けると、玄関までの意味が分かった。
引っ越しの段ボールが置かれた廊下。
「…引っ越し…」
するのか?
「うん。」
「いつ?」
「1ヶ月前くらいかな。」
「え?前?何で言わないんだよ。」
「ほら…追いかけて来たみたいじゃない。」
「はは!確かに。そんなに好きなんだ。俺の事…。」
「言うと思った。」
そう言って、笑い合った。
少しの違和感。そんないつもの笑顔で。
「手伝おうか?片付けるの。」
「いいよ、ゆっくりします。」
「片付いたら、招待して。」
「はーい。」
「こんなに近いなら、遅くても遠慮なく呼べるな」
「私、このまま帰ろうかな。」
なんて、言う。冗談だろうけど。
「……だーめ、まだ…何もしてない。」
そう言って、また…俺のマンションへ戻った。
これなら、この近さなら翌朝帰る意味も分かる。
いいな、もう少し気軽に会える。
今さらながら、彼女の事を何も知らなかった。
「独り暮らしだよな?」
「そうだよ。」
「呼んでくれてもよくない?」
「散らかってるの。すっごい。」
「俺もだよ、それは。」
「綺麗だよ、ここは。」
「はは!あっちに、詰め込んでるから。」
毎日、寝る為に帰って来てるに過ぎない。
最低限のベッドをキープするために、片方の部屋は…ぐちゃぐちゃだ。
「玄関迄でいいなら、行ってみる?」
「何で玄関なんだよ。」
「散らかってるんだって。」
「…忙しいもんな、湊も。」
「いこ。」
「は?今から?」
彼女は俺の手を取って立ち上がった。
外に出ると、手を離して先々と歩いて行った。駅とは逆方向へ。
意味は分からないが、彼女に続いた。
歩いて数分のマンションへ、入って行く。
「…嘘だろ?」
「本当。」
「こんなに、近いのかよ。」
ドアを開けると、玄関までの意味が分かった。
引っ越しの段ボールが置かれた廊下。
「…引っ越し…」
するのか?
「うん。」
「いつ?」
「1ヶ月前くらいかな。」
「え?前?何で言わないんだよ。」
「ほら…追いかけて来たみたいじゃない。」
「はは!確かに。そんなに好きなんだ。俺の事…。」
「言うと思った。」
そう言って、笑い合った。
少しの違和感。そんないつもの笑顔で。
「手伝おうか?片付けるの。」
「いいよ、ゆっくりします。」
「片付いたら、招待して。」
「はーい。」
「こんなに近いなら、遅くても遠慮なく呼べるな」
「私、このまま帰ろうかな。」
なんて、言う。冗談だろうけど。
「……だーめ、まだ…何もしてない。」
そう言って、また…俺のマンションへ戻った。
これなら、この近さなら翌朝帰る意味も分かる。
いいな、もう少し気軽に会える。