夜をこえて朝を想う
正直、ちょっと油断もあった。
昼休み、二宮くんが見当たらなかったのでそのまま一人で会社を出た。
この前会ったコンビニを避け、駅の方へ。
「湊。」
私を見つけると、安堵したような表情。その後、怒りを含んだような目で
「何で連絡くれないんだ。」
なぜ、この状況で私を責めれるのだろう…
掴まれた腕を振り払う。
「待てよ。」
そこから、思いっきり走った。
すぐに腕を掴まれた、その反動で地面に倒れた。
オフィス街で目立っただろう。
彼はバツが悪そうに、周りを気にして
手がゆるんだ拍子に、もう一度、逃げた。
彼の方向から見えない位置に隠れるように座った。
膝から…血が出てる。
それに、足首も痛めた。
痛めたままに走ったから、もう…立てそうもない。
情けなくて、涙が滲む。
丁度、電話が鳴った。
「皆さん、一人で出かけたら…」
「ごめん。二宮くん…来てくれない?あの…彼…がいて…今隠れてるんだけど…足を」
「どこ!?」
二宮くんに説明すると、すぐ向かってくれるとのこと。
二宮くんが迎えに来てくれる事になって
ホッとした。
「湊?」
全身…逆立つように驚いて、顔を上げた。
そこには
…吉良くん。
ホッとし過ぎて…涙が
「うわ、何だよ。ハンカチ…あ、持ってんじゃん。え?」
その時
「湊!…何で逃げ…」
彼は吉良くんを見ると、私に歩み寄るのを止めた。
「…話…、話がしたいだけなんだよ。頼むよ。」
そう言った彼に
「ここで、されたらどうですか?…彼女、ケガしてるみたいですけど…。」
彼を睨むように、吉良くんが言った。
「いや、電話、して。必ず。」
吉良くんに睨まれ、バツが悪そうにそう言って、去って行った。
「…誰?アイツのせい?」
「いや、私が勝手に転けただけで…」
「庇う価値はあんのか?怪我してるって言っても何も言わないような奴に。で、誰だよ。」
黙って俯く私に
「前の…か?」
その言葉に頷いた。
「しつこくされてんの?…警察、行く?」
「うん、でもここしかバレてないし、もう辞めるから。」
「そっか、あ…4月迄って…」
「一応、籍は5月。ほぼ有給消化で今月は滅多に来ない。」
この人にも、会いたくなくて4月までって言ったのに…嫌になる。
「…清水部長には?」
吉良くんが知ってる事に、心臓が跳ねる。
「あ、言わないで。彼、忙しいし…迷惑掛けたくない。それに、その…恥ずかしい。」
「分かったけど…お前から言えよ。彼だって教えて欲しいだろ。頼りになる人だよ。」
ただ、頷いた。
「このまま帰る?会社戻るなら送ろうか?」
「あ、大丈夫。会社の子が迎えに…」
その時、ちょうど息を切らした二宮くんが到着した。
昼休み、二宮くんが見当たらなかったのでそのまま一人で会社を出た。
この前会ったコンビニを避け、駅の方へ。
「湊。」
私を見つけると、安堵したような表情。その後、怒りを含んだような目で
「何で連絡くれないんだ。」
なぜ、この状況で私を責めれるのだろう…
掴まれた腕を振り払う。
「待てよ。」
そこから、思いっきり走った。
すぐに腕を掴まれた、その反動で地面に倒れた。
オフィス街で目立っただろう。
彼はバツが悪そうに、周りを気にして
手がゆるんだ拍子に、もう一度、逃げた。
彼の方向から見えない位置に隠れるように座った。
膝から…血が出てる。
それに、足首も痛めた。
痛めたままに走ったから、もう…立てそうもない。
情けなくて、涙が滲む。
丁度、電話が鳴った。
「皆さん、一人で出かけたら…」
「ごめん。二宮くん…来てくれない?あの…彼…がいて…今隠れてるんだけど…足を」
「どこ!?」
二宮くんに説明すると、すぐ向かってくれるとのこと。
二宮くんが迎えに来てくれる事になって
ホッとした。
「湊?」
全身…逆立つように驚いて、顔を上げた。
そこには
…吉良くん。
ホッとし過ぎて…涙が
「うわ、何だよ。ハンカチ…あ、持ってんじゃん。え?」
その時
「湊!…何で逃げ…」
彼は吉良くんを見ると、私に歩み寄るのを止めた。
「…話…、話がしたいだけなんだよ。頼むよ。」
そう言った彼に
「ここで、されたらどうですか?…彼女、ケガしてるみたいですけど…。」
彼を睨むように、吉良くんが言った。
「いや、電話、して。必ず。」
吉良くんに睨まれ、バツが悪そうにそう言って、去って行った。
「…誰?アイツのせい?」
「いや、私が勝手に転けただけで…」
「庇う価値はあんのか?怪我してるって言っても何も言わないような奴に。で、誰だよ。」
黙って俯く私に
「前の…か?」
その言葉に頷いた。
「しつこくされてんの?…警察、行く?」
「うん、でもここしかバレてないし、もう辞めるから。」
「そっか、あ…4月迄って…」
「一応、籍は5月。ほぼ有給消化で今月は滅多に来ない。」
この人にも、会いたくなくて4月までって言ったのに…嫌になる。
「…清水部長には?」
吉良くんが知ってる事に、心臓が跳ねる。
「あ、言わないで。彼、忙しいし…迷惑掛けたくない。それに、その…恥ずかしい。」
「分かったけど…お前から言えよ。彼だって教えて欲しいだろ。頼りになる人だよ。」
ただ、頷いた。
「このまま帰る?会社戻るなら送ろうか?」
「あ、大丈夫。会社の子が迎えに…」
その時、ちょうど息を切らした二宮くんが到着した。