夜をこえて朝を想う
確かに、十分に時間を取れていなかった。

向き合って、話す時間が。

ようやく、週末…その時間を確保した。

話そう。

それに、出掛けよう。

夜しか会った事がなかった。

大丈夫だろう。これから、いくらでも…

そう思ったのか、そう思いたかったのか

仕事と同じ様に考えてはいけなかった。

彼女は俺の部下でも、同僚でもない。

恋人だ。

彼女を見て、汲み取れる情報だけでは限界があった。

聞くべきだった。

もっと。

その時、その時に。

だけど、信じてた。

自信があった。

彼女を見て…俺を好きだと。

それだけは、間違いなかった。

それに、甘えてた。

そこに気付いた時には

何も残っていなかった。

何も。

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