Love-ing(アイエヌジー)
「店にもあるぞ」
「・・え?」
「本。もちろん中古品だけどな。中には新品同様のもある。暇なときでも見に来いよ」

そう言いながら、辻堂監督は、ミラー越しに私を見た。
私も、ミラーに映る辻堂監督の顔――というより目を――見た。

・・どうして、私の心臓、ドキドキって・・いつも以上にうるさく鳴ってるんだろ。
カッコいい辻堂監督に見られてるから?
って何考えてんの!?私!

私は、ヘンな考えを追い払うように瞬きすると、右に垂れてる前髪を、指でいじった。

「俺、週末は大抵店にいるから。今度の週末・・は練習試合か」
「そ・・そう、ですね」
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