Love-ing(アイエヌジー)
私には、生まれつきの痣が、3か所ある。
右肩と右脇腹の2か所は、普段は服で隠れているからいいとして、厄介なのは、右頬にある、楕円形の痣だ。
青茶色のそれは、見た目が痛々しい。もちろん、実際には痛くない。
だけど、見える部分で、しかも「顔面」という、隠すこともできない箇所にあることで、私には、物心ついたころから友だちがいなかった。

ある子は私を一目見ると、「気持ち悪い」と言って、露骨に避けた。
クラスの子たちは、私のことを「バケモノ」呼ばわりした。
私と仲良くしようと話しかけてくる子なんて、一人もいなかった。
逆に、私を遠巻きに見ながらヒソヒソしゃべっては、「ワー」とか「キャー」とか、からかいの反応をする子たちばかりだった。
< 3 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop