Love-ing(アイエヌジー)
やっぱり私って、ここでも「いらない存在」、なのかな。
辻堂監督や、安川先生、大谷センパイ、そして、私とえっちゃんが入部したとき、すでに入部していた部員みんなは、私に「退部しろ」とダイレクトに言ってきたことはないし、私を邪魔者や余計者みたく、ぞんざいな扱いをすることも、ない。
露骨な嫌がらせや、避けることも、しない。
でも、話かけられるのは、えっちゃんの方が圧倒的に多い。これは、周囲の人たちが見ても、明らかな事実だ。
部員の誰かに話かけられては、明るく笑っている、えっちゃんの声が、いつも必ず聞こえてくるし。
その、えっちゃんの笑い声だけじゃなくて、明るくて、美しいえっちゃんの存在、そのものが、野球部の活性剤のような役目を果たしていると思う。
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