Love-ing(アイエヌジー)
私は、そのまま――いつものように、右目は、頬の痣を隠すために垂らしている前髪越しから――監督を見た。
意地を張りすぎているせいか、自然と唇が引き結ばれているのが、自分でも分かる。
あぁ、酷い顔が、もっと酷くなってるに違いない!私ってどこまで・・・かわいくないんだろ・・。

そんな私を、辻堂監督は見ながら、かすかに笑った、というか・・私のことをバカにするように、鼻で笑った?ように見えたんだけど!
一応、感情なんて込めてないつもり、だったけど・・もしかして、私の見返し方がヘンだった?それとも、生意気すぎた?実は、反抗心が見え見えだった、とか・・・。
まぁ、少なくとも監督は、私を気味悪がってはいないことは、確かだ。

監督も、先生と同じく「“えっちゃん効果”ね」と、呟くように言ったけど・・・その言い方から私は、すぐに「監督は、そのネーミングが気に入らないんだ」と、確信した。
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