Love-ing(アイエヌジー)
「ま、あとは何人残るかだな。ボクとしては、なるべく一人でも多く残ってほしいんだけど」
「そりゃ残念。夏センまでにはほぼ全員、いなくなってますよ」と、辻堂監督は答えた後、私をチラッと見た・・気がした。

・・・監督は、私に、マネージャーを辞めてほしいんだ。
そう、確信した私は、すぐに顔を俯けた。

監督の「目力による声」は、もう・・聞こえなかった。
代わりに、「そんな酷なことをサラッと言いきるなよおまえはっ!ったく・・マー坊の野球に関する予言は当たるから怖い」と言いながら、わざと大げさに、ブルブル震える安川先生の声が、聞こえただけだった。
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