Love-ing(アイエヌジー)
「陽一郎は県外の大学に行ってるから、今はほとんど会ってねえな」
「ふーん。でもー、それじゃあ答えになってませんよぅ」
「あぁ?」
「だからー、梓センパイとつき合ってるのかってことですっ」
「つき合ってねえよ」
「ホントに?」
「しつこいぞ、おまえ」
「でもぉ、ここはちゃんと聞いておかなきゃ」
「なんでだよ」
「だってぇ、私にもチャンスあるってことでしょ?」
「・・・ぇ」

・・・えっちゃん、それって、どういう意味・・・・・・。

一瞬、思考が止まった。その瞬間。
「ねえよ」という、辻堂監督の低い声が聞こえた。
< 92 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop