破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

「ソフトクリームは滑らかなミルクのアイスで、餡子は小豆を使ったものです」


説明しても想像がつかないようなので、まずは作ってみるから完成したものを味見して、それから決めてもらってもいいかとアーシェリアスは交渉する。


「とてもありがたいですが……いいんですか?」


旅の疲れをゆっくり癒してもらうべきのところ、手を煩わせてしまって申し訳ないと眉を下げる女将に、アーシェリアスが「そんなことは構わず、ぜひお手伝いさせてください」と微笑んだ。


「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」

「良かった! じゃあ、必要な食材を集めてきますね!」


笑顔で告げて、アーシェリアスは部屋で寛いでいたザックとエヴァンに状況を説明し、食材集めの手伝いをお願いする。

そうして、一時間後──


「これで全部だと思うが、確認してくれ」


十分な広さのあるゆらたま亭の厨房で、アーシェリアスはザックたちから食材を受け取った。

< 149 / 194 >

この作品をシェア

pagetop