破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
「ソフトクリームは滑らかなミルクのアイスで、餡子は小豆を使ったものです」
説明しても想像がつかないようなので、まずは作ってみるから完成したものを味見して、それから決めてもらってもいいかとアーシェリアスは交渉する。
「とてもありがたいですが……いいんですか?」
旅の疲れをゆっくり癒してもらうべきのところ、手を煩わせてしまって申し訳ないと眉を下げる女将に、アーシェリアスが「そんなことは構わず、ぜひお手伝いさせてください」と微笑んだ。
「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」
「良かった! じゃあ、必要な食材を集めてきますね!」
笑顔で告げて、アーシェリアスは部屋で寛いでいたザックとエヴァンに状況を説明し、食材集めの手伝いをお願いする。
そうして、一時間後──
「これで全部だと思うが、確認してくれ」
十分な広さのあるゆらたま亭の厨房で、アーシェリアスはザックたちから食材を受け取った。