破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
＊＊＊


「はぁぁぁぁぁぁ……」


学園が冬期休暇に入った初日から、アーシェリアスは重く深いため息を吐く。

ミアがアルバートルートに入ったことにより、アルバートによるアーシェリアスへの風当たりが前よりもきつくなった。


『お前は僕のまわりにはいないタイプでなかなか面白しかったのだが、嫉妬し、ミアに当たるとは見損なったぞ』


嫉妬は一ミリもしておらず、ミアに対してきつく接したことは一度もない。


「どうしたらいいの……」


いい子を演じているミアと親友になることは不可能だろう。

けれどこのままでは春が来る頃には国外追放の結末が待っているのだ。

わかっていて放置はできないと頭を悩ませるアーシェリアスは、外に出て気分を変えようと屋敷の庭を歩くことにした。

ファーレンの冬はそこそこに寒く、先日のパーティーの日のように雪が積もることもある。

その雪も今は溶けて地面も渇いているが、庭の花々は庭師の行き届いた世話のおかげで瑞々しさを保っていた。

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