破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
自分が死にたい気持ちだったのも忘れ、青年を助けようと手を伸ばしたが、一拍遅かった。
青年の体がぐらりと前方へ傾いていく。
それでも諦めまいと青年の足を掴むために手すりに身を乗り出した。
莉亜の手が青年の足を掴む。
けれど、次の瞬間。
「やっ、ううぅぅっ!?」
嘘でしょう、と続くはずだった言葉は音になることはなかった。
そんな余裕など一ミリもなく、莉亜の体が青年の足を掴んだままに引きずられて橋の外側へと飛び出してしまったのだ。
莉亜と青年を助けるものなど何もない。
さきほどの男女はもう橋を渡り切って姿も見えなくなってしまっている。
目撃者もいないままに、莉亜は青年と共に助かることは奇跡といえる高さから川へと落下した。
青年の体がぐらりと前方へ傾いていく。
それでも諦めまいと青年の足を掴むために手すりに身を乗り出した。
莉亜の手が青年の足を掴む。
けれど、次の瞬間。
「やっ、ううぅぅっ!?」
嘘でしょう、と続くはずだった言葉は音になることはなかった。
そんな余裕など一ミリもなく、莉亜の体が青年の足を掴んだままに引きずられて橋の外側へと飛び出してしまったのだ。
莉亜と青年を助けるものなど何もない。
さきほどの男女はもう橋を渡り切って姿も見えなくなってしまっている。
目撃者もいないままに、莉亜は青年と共に助かることは奇跡といえる高さから川へと落下した。