破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
第二幕
🍖ブリーランの絶品ビーフシチュー
大きな街道には旅人や商人が宿泊する為の宿屋や酒場、教会などの家屋が建ち並ぶ宿場町がある。
港町マレーアを出たアーシェリアスは、ザックと共に馬車に揺られ、宿場町の宿屋で世話になりながら街道を南東に進むこと三日。
「見えたぞ。あれが【シュタイル】だ」
ザックが指差す先に見える町を遠目に見て、アーシェリアスは瞳を輝かせた。
「アーシェはシュタイルに行くのは初めてか?」
シュタイルは崖の町と呼ばれ、ファーレン王国の最南端にある。
マレーアとの関係も良好な町だが、アーシェリアスはこくりと頷いた。
「初めてよ。マレーアの外だと王都しか行ったことはないの。だから楽しみで」
夕焼けに染まる景色の中、少しずつ近くなるシュタイルの町に、心を弾ませながら膝に乗るシーゾーをギュッと抱きしめる。
「そういえば、ザックはいつから旅をしてるの?」
「まだそんなに経ってない。だが、旅とは別で、ファーレン国内の主要な町はほとんど行ったことはある」
「ほとんど!? 凄い! 」
「ただ、どこに行ってもおやきはなかったな」
色々な町を訪れる度におやきを探すザックの姿を想像し、アーシェリアスは小さく笑った。
港町マレーアを出たアーシェリアスは、ザックと共に馬車に揺られ、宿場町の宿屋で世話になりながら街道を南東に進むこと三日。
「見えたぞ。あれが【シュタイル】だ」
ザックが指差す先に見える町を遠目に見て、アーシェリアスは瞳を輝かせた。
「アーシェはシュタイルに行くのは初めてか?」
シュタイルは崖の町と呼ばれ、ファーレン王国の最南端にある。
マレーアとの関係も良好な町だが、アーシェリアスはこくりと頷いた。
「初めてよ。マレーアの外だと王都しか行ったことはないの。だから楽しみで」
夕焼けに染まる景色の中、少しずつ近くなるシュタイルの町に、心を弾ませながら膝に乗るシーゾーをギュッと抱きしめる。
「そういえば、ザックはいつから旅をしてるの?」
「まだそんなに経ってない。だが、旅とは別で、ファーレン国内の主要な町はほとんど行ったことはある」
「ほとんど!? 凄い! 」
「ただ、どこに行ってもおやきはなかったな」
色々な町を訪れる度におやきを探すザックの姿を想像し、アーシェリアスは小さく笑った。