破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
そして、何度か噛んだところで「おおっ!」と喜び目を見開く。


「これは美味い! 米をパンの代わりにするとは、新しくていいな。何よりこの具がまた米合っていていい!」


噛むと程よく歯ごたえのあるきんぴらをいたく気に入ったようで、バーガーからきんぴらだけを取り出して味をみている。


「気に入ってもらえてよかったです!」


ライスバーガーを紙に包み、バスケットに入れると「今度作り方を教えてくれ」という店主に夕方くらいに戻ったらと伝え、アーシェリアスは待っていたザックとシーゾーと宿のエントランスで合流した。


「お待たせ!」

「何を作ったんだ?」

「んー、それはお昼になったらのお楽しみってことで」


ザックも喜んでくれるといいなと思いながら、ふたりと一匹(?)は夕霧の崖を目指して宿屋を出たところで、覚えのある人物を見つける。

柔らかなブロンドの長い髪と、弾む豊かな胸。

色気のある女性の視線とアーシェリアスの視線かぶつかる。


「あら……あなたたちは……」

「ブリーランのウエイトレスさん!」

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