いつか、眠りにつく日2
「僕は、瀬川輪。高校一年生……って、同じ制服だね」
にこやかにほほ笑む瀬川輪に、私は自然に口を開いていた。
「私は……池田……池田光莉」
言葉にしながら久しぶりに自分の名前を思い出した。
そうだ、私は池田光莉という名前だった。
なぜ思い出せなかったのだろう?
同時に輪が私の高校の制服を着ていることに気づく。
「何年生?」
なんでもないような口調で聞いてくる彼には私の姿が見えているんだ……。
「二年生……二年生だった」
過去形に言い直す。
「じゃあ、先輩だね」
軽くうなずく彼の髪が夏の風にふわりと揺れた。
ということは、彼はまだこの世に 存在しているということだ。
生きていない私は、風も太陽も色も感じることはない。
ただ寒さだけが体を包んでいる。
妬ましい気持ちが生まれそうになるが、それよりも疑問のほうが大きい。
にこやかにほほ笑む瀬川輪に、私は自然に口を開いていた。
「私は……池田……池田光莉」
言葉にしながら久しぶりに自分の名前を思い出した。
そうだ、私は池田光莉という名前だった。
なぜ思い出せなかったのだろう?
同時に輪が私の高校の制服を着ていることに気づく。
「何年生?」
なんでもないような口調で聞いてくる彼には私の姿が見えているんだ……。
「二年生……二年生だった」
過去形に言い直す。
「じゃあ、先輩だね」
軽くうなずく彼の髪が夏の風にふわりと揺れた。
ということは、彼はまだこの世に 存在しているということだ。
生きていない私は、風も太陽も色も感じることはない。
ただ寒さだけが体を包んでいる。
妬ましい気持ちが生まれそうになるが、それよりも疑問のほうが大きい。