僕と黒猫ニャオ
「ねぇ!せっかくだから何かお話でもしようよ!暗い話は禁止で、楽しい話!」
「フフッ。良いね!それ。じゃあ、ニャオは生きてたら何をしたかった?」
「う〜ん。もっと遊びたかったし、あったかい日は、日向ぼっことかしたかったなぁ。寒い日は、コタツに入って雪を見たり。勇気は?」
「僕は、友達を作りたい。かけがえのない友達を。あとは、お酒とかも飲みたかったし、結婚も・・・・・・したかったな〜。」
「へぇ〜。勇気は、好きな人とかいたの〜?」
言われた時、僕の顔が赤くなった。
長い黒髪のいつも笑顔のあの子のことが。
「い、いたよ。でも、遠くから眺めることしか出来なかった。声をかける勇気が無かったんだ・・・・・。」
「へぇ〜。どんな子だったの?」
「美人で、笑顔が可愛かった。学級委員長でさ、いつも周りに人が集まってたなぁ。」
「ふ〜ん。その子とは、結婚したいとか付き合いたいって思ったことあった?」
「もちろんそう思ったこともあったけど、無理だった。でも、家族がいるって凄く幸せなことだと思うんだ。
家があって、家族がいて、美味しいご飯があって・・・・・。あとは、子供が出来たらキャッチボールとかで遊んだりさ。そういうのも良いなって思うんだよね。」
「勇気は、いいお父さんになりそうだね。」
「そ、そうかな〜?」
「なれるよ!絶対なれる!僕が保証するよ!」
「フフッ。猫に言われてもなぁ〜。」
「あっ!ひっどーい!」
アハハハハハ!
僕は、ニャオと顔を見合わせて笑った。