だ き し め て
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学校内は、わいわいとしていた。最初は、彼がいなくなってすぐの頃には、しんみりとしていたのに。いまでは、彼といちばん一緒にいた友人が彼の代わりだ。
――あいつはこんな暗いの、望まない。
そのひとことで、空気が変わった。
はあ。吸って吐く。吸って吐く。暗い気持ちを、吹きとばせ、と。
1週間は、ほかのひとからしたら早いのかもしれない。彼を忘れたみたいだ。忘れていない、空元気なのだろうけれど……忘れているとしか思えない。
私は、忘れられる気がしなくて……図書委員会の仕事はすっぽかしている。
ああ、でも今日は掃除の日だから全員参加だって先生が言っていたっけ。
行かなければいけない。
彼がいない、寂しいあの場所に。