だ き し め て
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「なに、これ……」
なにこれとばかり繰り返す。
こんなの、知らなかった。聞いていなかった。
それは、紙で作られた袋。綺麗とは言い難いけれど、折り紙のような要素でつくられていた。
開けなくとも見える外側には、
――伊花へ
私だ。ドクンと心臓が跳ねる。
高野くんの字は、知らなかった。だけど、この椅子の下。高野くんが普段座っていた椅子の下だから。私と話してくれるのは、高野くんだけだから。
ドクン、ドクン
うるさい。
震える指先で、紙を開く。封筒でいうのりしろ部分に書かれた……