枯れた花は何度も咲く



:: Rei


「 んん……ふわぁぁ… 」


夢から覚めた。




あ、そっか…

私、ゆうの家に来たんだ…



「 おはよ 」


ソファに座ってるゆうに挨拶をする。




もう朝になっちゃったか。


私、ずっとここにいたいな……

ゆうと一緒にいたい……




「 今日も、ここにいていい……? 」


きっと、断られるだろう…


「 キミ、学校は? 」

「 えっ……?? 」



「 行かなくていいの? 」


「 学校は…やめる 」

「 ……… 」



「 やめて、働くから…
私ここにいても……いい? 」







「 べつにいいけど…… 」


「 えっ!?ほんと!? 」



「 ………… 」



ゆうは、俯いたままなにも言わない。



「 あれ?顔赤いよ?熱あるの? 」






「 なんでもない。
仕事行ってくる…… 」



私の顔を一切見ず、
ゆうは家を出ていってしまった。



え、なんだったの?


変なの!!





さて、仕事を探すか…

バイトをしたことがない私にとって、
何から始めればいいかわからない。


とりあえず、外に出よう。


なにかやりたい仕事が見つかるかもしれない。




家の近くの近所を散歩していた。


あー、カフェなんかもいいな。

んーでも、ペットショップもいいかも…






あ、お花屋さん!!!




お花屋さんを見つけ、
つい小走りで入ってしまう。





私は、お花が大好き。

見てるだけで癒されるから。




「 あ、あった!! 」


特に私は、スノードロップが大好き。

やっぱりあなたは、いつ見ても綺麗ね。






「 何かお探しですか? 」

店員さんが話しかけてくれた。




「 私、この花が好きなんです 」

「 ……えっ? 」




「 よくスノードロップは死を象徴したり、
連想させることからあまり好まれてないけど、
他にも希望という意味もあって。

私、この花に似てるんです。
私もずっと幸せになりたいという
希望を持ち続けていたので。

可憐で白い花の裏には、
皆に好かれたいという希望があるのかなって、
そういう魅力に惹かれるんですよね。 」




「 お花、とっても好きなんですね。 」



「 はいっ!!!
あの私、ここで働きたいです!!! 」


「 えっ!? 」


「 お願いします!!! 」




「 …………ふふ。
こんなにお花が好きな子だったら、
私も一緒に働きたいな。 」


「 ほんとですか!? 」



「 明日からよろしくね!! 」



やった!

私、ここで働けるんだ。


こんなに綺麗なお花に囲まれて
お仕事できるなんて……

明日から楽しみだな。




ハルシャギクのお花をゆうに買って帰った。


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