枯れた花は何度も咲く



家に帰ってから、
ゆうの為にハンバーグを作って待つことにした。




料理なんてしたことなかったけど、
まっ、出来るでしょ!!



だけど………







「 あーまた失敗しちゃった… 」


「 うわあっっ!!もう…また? 」


何度やっても失敗続き。



もう…嫌になる……




何時間もかけてやっとのことで出来上がった
ハンバーグは、見た目が最悪…



絶対美味しくないじゃん……






ガチャ





あ、帰ってきちゃった!!!!



「 えっ……… 」



散らかしまくってるキッチンを見て、
ゆうは唖然としていた。





「 ごめんなさい……… 」













「 ぶ、あはははははっ!! 」


涙を流すほど、ゆうは爆笑していた。


そんなゆう、初めて見た。





「 お嬢様は料理したことないでしょ。 」

「 初めて作った……
出来ると思ったんだけど… 」




何も出来ない自分が悔しくて涙が出そう。




「 見せて? 」


焦げてしまったハンバーグをお皿にのせ、
ゆうの前に出す。




女の子なら料理くらい出来ないとね…

ゆうに引かれちゃったかな……





ゆうがハンバーグを一口食べる。





「 ……………… 」




やっぱり不味かったかな……



「 すごく焦げちゃったし、
どっかお店に食べに行こっか!! 」



「 …………… 」



「 …………………ゆう? 」





「 美味しいよ 」


優しく微笑み、そう言った。



「 え?無理しなくていいよ… 」



「 ううん、美味しい 」


「 うぅ………ゆううっうわあぁんん 」


「 すぐ泣くなよ 」


優しく抱きしめてくれる。




「 帰ってきたときに、
明るい家で誰かが待っててくれるって
やっぱりなんかいいな。 」



「 ………グスン 」


「 ありがとう。よく頑張ったな 」



頑張った時に褒めてくれる。

失敗しても慰めてくれる。


ゆうの優しさが、心に沁みる。





「 あれ?花がある 」


テーブルの上の花瓶に気づいた様子。



「 私、お花屋さんで働くことになった 」

「 そうなんだ 」

「 お花大好きだからさ。 」




「 ふっ。俺に花は合わないな 」

「 そんなことないよ!!
これは、ハルシャギクって名前なの 」


「 綺麗だね 」


「 ハルシャギクの花言葉は…… 」







「 一目惚れ 」


「 え? 」


「 私にピッタリだなって思って 」






「 俺の想いにも、ピッタリだな 」


「 ゆう……? 」


「 ああ、なんでもない!! 」



こんなに幸せな日が続けばいいな。

誰にも邪魔されたくない毎日。



この普通な幸せを、ずっと願ってた。





< 11 / 29 >

この作品をシェア

pagetop