枯れた花は何度も咲く
「 俺には2つ下に妹がいるんだ。
小さい時に両親が離婚して母親と妹と
3人で暮らしてた。
母親はいつも酒を浴びるように飲み、
酔っ払うとヒステリックになって
俺と妹に暴力を振るうようになった。 」
ゆうの知らない過去をどんどん知っていく。
「 小さい時は怖くて、家を出たくても
出た先の行き場所がなくて、
毎日毎日母親に怯える日々だった。
そして、1週間前。
その日は母親のヒステリックが
全然収まらなかった。
物を俺たちに投げてきて……
母親は、その場にあったナイフを
妹に向けた。
勢いよく妹に向かって……… 」
ゆうの肩が震える。
「 咄嗟に母親を押したんだ。
倒れた拍子にテーブルに頭ぶつけて………
頭から血が大量に出てて……
俺もうどうしたらいいかわからなくて、
咄嗟に家を飛び出した…… 」
そんなことがあったんだ……
そんな辛いことを抱えてたんだ………
ゆうを抱きしめた。
「 話してくれてありがとう 」
「 この手が憎い……
れいを抱きしめるのが怖い…… 」
「 ゆうは悪くないよ!!
妹を助けようとしたんでしょ?
私がゆうの立場だったら、
同じことしてたと思う。 」
「 ……………… 」
「 妹にその日のことを証言してもらおうよ! 」
「 それは無理だ…… 」
「 …………どうして? 」
「 妹は、 母親が大好きだった。
暴力を振るわれても、
世界でたった1人の母親を
殺してしまった俺の事を恨んでる…… 」
「 そんなに自分を責めないで… 」
「 こんな話、するつもりなんてなかった… 」
ゆう………
「 れい、好きだよ。
お前には全て知ってて欲しくなった…… 」
弱ってるゆうを知った時、
心の底から支えてあげたくなった。
ゆうから、好きと言ってくれたこと。
ゆうからの愛が嬉しかった。
抱きしめてた体制から、そのまま押し倒した。
「 えっ………れい? 」
驚いてるゆう。
ふふっ、可愛い。
「 何があっても、ゆうから離れない。
ゆうの全てを受け止めるから。
だから、私のこと信じていいよ。 」
ゆっくりと彼の顔に近づき、口付けを落とした。
ゆうは、最初震えてた。
だけど頭を撫でれば、
安心したのか、強く抱きしめてくれた。
これから、警察が来るのを恐れて
生活をしないといけないのか……
怖かった。
ゆうは悪くないのに、、、