枯れた花は何度も咲く



学校が終わる。

今日は1日中雨だったな…


なんだか気持ちが浮かない。




家が近付く度に足が重たい。

また怒鳴られるんだろうな…



いつまで続くの?

こんな生活……




ガチャ



「 ただい…… 」

「 おそい!!! 」


はあ……

寄り道してないのに……



「 なにやってたの!! 」

「 ……… 」

「 もう!あんたって子は……
どうしてこんなに悪い子なの!! 」


「 ……… 」



「 そんな子に育てた覚えはありませんよ。
ほんっとに、誰に似たんだか… 」


「 ……… 」


黙って聞くのが精一杯だった。


口を開いてしまえば、
今まで我慢してたものが
全て吐き出してしまいそうで。


唇を噛み続けた。



「 ほんと、パパにそっくり。
パパもずっと外で遊んで、
家にろくに帰ってこなかった。 」


「 ……… 」



「 あんたのこと私に全部押し付けて、
子育てなんて1度もしたことなかったわ 」



パパの悪口言わないで……



「 ママはあんたのせいで人生壊された。
パパはあんたから逃げ…… 」


「 いい加減にしろっ!!! 」



私の声が大きな家に響き渡った。

こんなに大きな声出したの、人生で初めて。



「 パパの悪口言わないで!!
パパは、私と沢山遊んでくれたよ… 」

「 えっ……? 」



「 パパは、私にたくさん愛をくれた。
私から逃げたのはママでしょ!!

私のこと愛してないくせに!!
お金しか目がなくて、
お父さんにさえ気使ってるじゃん!!

私のせいで人生壊された…?
そんなのこっちのセリフだわ!! 」



「 どうしたの、そんな大きな声出して… 」



「 私がいない方がママは幸せなんでしょ!
だったらこんな家、出てってやるよっっ!! 」



ガチャ


傘もささず、家を飛び出した。



ママは、私を追いかけにも来なかった。


今更そんなことで寂しい気持ちになどならない。





行く宛もない。

ただ、ひたすらに走った。


あの家から1mでも離れるように。


この日を待っていた。


どこかできっかけが欲しかった。


あの家を出ていく理由を。


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