枯れた花は何度も咲く
:: yu
「 寝るの早っ!! 」
彼女の寝顔を見ながら、思わず声が漏れた。
初めて会った人の家に着いてくるなんて、
この人は何も心配しないのか……
安心しきったようにスヤスヤ眠っている。
その隙に俺から何かされるかも…って
疑うもんじゃないのか?
まあ、そんなことしないけど……
俺に対する彼女の気持ちが
もし本当なんだとしたら、
その気持ちを裏切りたくないから。
" 犯罪者 " と名乗って、
それでも好きと言う変わり者なんて、
この人しかいないだろう。
罪を犯してから、
誰かを信用するのをやめた。
恋することをやめた。
そんなの、無駄な時間だから。
" 犯罪者 " なんて言えば、
俺から離れていくのは目に見えてる。
だから、恋愛もしない。
なのに、、
初めてバスの中で見た彼女に、
俺も一目惚れしたんだ。
今まで出逢った女の中で
1番可愛かった。
笑顔で「 ありがとうございます 」って言う
彼女に、恋をしたんだ。
肌が透き通る程透明感のある白さ。
まつ毛が長く、小さな唇。
どうして俺のことが……
今まで孤独の中で生きてきた俺にとって、
今日という日が幸せな日だった。