アルティロストの薔薇姫

さぁ。

覚悟を決めよう。

こいつらの、人形にならないために。

新しい人生を歩むために。

「本当ですか!ありがとうございます!では、早速、これを。」

手渡されたのは…。

「腕輪…?」

銀色に輝くリング。

それを手に持ちながら、私は首をかしげた。

「それは、聖女の証となるものです。体のどこにでもいいので、つけてくださいね?」

…あやしい。

あやしすぎる。

つけるのは危険だ。

つけないことで生じるリスクより、つけることで生じるリスクが大きすぎる。

「わ、わかりましたわ。部屋でつけますね?」

「…いえ。今、ここで。つけてください…。」

…。

やはりか。


でも、こちらにだって手はあるんだ…!
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