アルティロストの薔薇姫
「…わ、私の世界では…腕に装飾品をつけるところを人に見られるのは、その…は、恥じるべきこととされているのですっ!で、ですから…!」
顔を赤らめて。
涙を浮かべ。
全力で、演じる。
いたいけな…可憐な少女を、演じる。
「…っ!ま、まぁ。仕方ありませんね。明日、必ず見せてくださいね。」
「は、はい!」
よし。
ここまでくれば、どうとでもなる。
私の家に伝わる、『血統魔術』を使えば…!
「ところで、貴女様のお名前を伺っておりませんでした。貴女様のお名前は?」
「…。ラスティフィリア。ただの、ラスティフィリアです。」