仮眠室で愛を叫べば
今の会話が呑み込めなくて、私はぼーぜんと宮前先生の後ろ姿を見つめていた。

「今のってデートのお誘いでしょ？良かったじゃない恵ちゃん｣

長田先生の声に我に返ると、二人がにやにやしながら私を見つめていた。

「いやーこの間恵ちゃんが宮前先生狙いだって言ったとき意外で驚いたんだよね｣

「そうそう、恵ちゃんて虎太朗みたいな見るからに優しそうで愛想がいい人がタイプかとおもってた。
宮前は無愛想であんまり笑わないからねー。
顔はいいんだけどキツイからさものの言い方も。
何人もナースが仕事中泣かされてるんだよね。

はっきりしてるからいくら湊の頼みでも嫌なことにうなずかないやつだから恵ちゃんのこと気に入ったんじゃない？｣

長田先生の言葉にだんだん顔が赤くなるのがわかる。


業務が終わったあと、私はこっそりパソコンで放射線科スタッフページをひらき、宮前先生の顔写真をじっくり眺めた。
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