仮眠室で愛を叫べば
慌てて目をそらし
「あの、ちょうど先生のところにお礼を言いに伺うところだったんです。」

「お礼?」

佐久間先生が眉をひそめる。

「お忙しいのに、宮前先生にお話をしてくださりどうもありがとうございます。

今日昼休みに宮前先生にお会いしました。

女性のいる飲み会は参加しないからと言われて、個人的に会う約束をしてくださいました。

ありがとうございます。」

頭を下げる私に佐久間先生の戸惑った声がふってきた。


「えっ!?
ちょっ、ちょっとまって。

アイツが個人的に会うって…会う約束したってこと…だよね?」

「えぇ、まぁ。

明後日暇かって。
11時に駅の改札口って、遅れるなよって言われました。」

佐久間先生は目を丸くして、唖然としていた。


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