仮眠室で愛を叫べば

「別に責めてる訳じゃない。
悪いけど俺も利用させてもらった。
食堂で声をかけてわざわざ会う約束をしたのは周りに聞かせるためだ。

アイツの結婚が決まってから、近づいてくる女が多くて正直うんざりしてた。
だからあの日、本当は冷たい言葉をぶつけるつもりだった。

それなのに、俺に関心があるどころか顔も知らない。

だから俺に興味がないならちょうどいいって思った。

俺が女に自ら声をかけたのが広まればって利用させてもらった｣

先生の顔がだんだんとぼやけて見える。
訳がわからない感情が沸き上がり、溢れてきた涙をとめることができなかった。