仮眠室で愛を叫べば
「取り返しがつかなくなったら、ちゃんと責任はとる。

今は俺も好きだとは言いきれない。
ただ恵に興味がある。
誰かにその笑顔を向けてほしくない。
付き合う理由はそれだけじゃだめか?」

今日はじめて呼ばれた名前にドキリとする。

なんてズルいんだろう。

「取り返しがつかなくなったらどう責任とるんですか!」

涙目で睨み付けると

先生はふっと笑い

「俺も同じくらい取り返しがつかなくなるほど愛してやるよ」


「ズルい……いやだって言えないじゃないですか」


「好条件だろ?

断る理由がない。」

泣き笑いする私を彼はそっと抱き締めた。

こうして私たちはお付き合いすることが決まった。
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