仮眠室で愛を叫べば
「ゴホンッ」
目の前の長田先生が咳払いした。

「ここ食堂だけど?
私たちのこと無視しないでね。」

「いいだろ?
お前たちみたいに一緒に住んでるわけじゃないんだから。
それに、、、、

これ以上まわりにうだうだ言われるのめんどくせぇ。

眼鏡外すからな。」

そう言ってふっと笑う。
駄目だ、、、この笑顔に私はいつもやられてしまう。

大きな手が頬に触れる。

親指でそっと私の唇をなぞり妖艶に微笑む彼から目が離せない。

「続きは後で。
たっぷり甘やかしてやる」

立ち上がった先生は、ポケットに眼鏡をしまうとポンと頭に手を乗せてそのまま立ち去った。

赤くなる私の目の前の二人も同じように赤くなり、周りから

「宮前先生ヤバイね…」
という囁きが耳にはいる。

「アイツ…湊よりイケメンだゎ…」
そう呟いた長田先生の言葉に

「眼鏡外さないでーっ!!」


立ち上がって叫ぶ私の声が聞こえたのか、宮前先生の肩が笑っているのか揺れていた。





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