仮眠室で愛を叫べば
人の温もりがこんなにも心地いいなんてはじめて知った。

目が覚めると、すっぽりと大きな身体に抱きしめられて、優しい瞳が私をじっと見つめていた。

「おはよう」

ふっと微笑み、挨拶を返そうとした私の言葉はそのまま遮られた。

「可愛すぎて朝から襲いたくなる」

もう一度微笑む彼に

「その顔…やめてください。
ふって、笑う顔がもう!無理っ!」

胸に顔を埋めると両手で頬を挟まれて上をむかされる。

「好きなんだろ?この顔。
昨日そう言ってた。
でも、俺もふって笑いかけた時に照れてる恵が好きなんだけど」

朝から色気たっぷりな目の前の彼が直視できなくて、思わずぎゅっと目を閉じた。
< 55 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop