仮眠室で愛を叫べば
家に帰るきにはなれなかった。

行くあてもなく途方にくれていたとき携帯が震えた。

通話ボタンを押すと

「もしもし、恵?
誕生日おめでとう!」

ひと月前に家をでた大好きな兄の声が耳に飛び込んできた。

「おにぃちゃ…」

「あっ今日彼氏と過ごすんだっけ?今電話もしかして邪魔してるか?」

「お兄ちゃん…ひっく…お兄ちゃん………」

「もしもし?恵!どうした!?」

「ちっともめでたくないよ、お兄ちゃん。
だって今日はお母さんの命日なんだから。
私の誕生日なんてお祝いしちゃダメなんだよ」

「もしもし!おい恵!今どこ」

携帯を切り、電源を切った。

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