仮眠室で愛を叫べば
「ん、何かよくわからないんだけどもう帰ってくるはずなんだ。
だから会ってちゃんと話をしてほしいんだ。

それと、

……恵ちゃん、きみのことは俺ちゃんと覚えてる。」

佐久間先生の言葉に私は固まった。

「俺ね、いろいろ遊んだけどちゃんと相手は覚えてるんだ。

あの日は恵ちゃんの誕生日だったんだよね。」

あぁ、そうだ。
家族と過ごしたくなくて合コンに参加したんだっけ。

「酔った君が寂しそうに笑ってた。誕生日だけどお母さんの命日なんだって。
誕生日は嫌いなんだって。」

「そんなこと言ったんですか…?」

「うん」

先生は椅子に腰かけて私の目線に顔を合わせた。



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