仮眠室で愛を叫べば
点滴をしたおかげでいくぶん私の身体は楽になった。

師長と佐久間先生と言葉を交わして、悲鳴をあげていた心も落ち着きを取り戻した。

考えることをやめていた私の頭がひとつひとつ、佐久間先生の言葉の意味を考える。

「もしもし、お兄ちゃん、聞きたいことがあるんだけど」

私の強い口調に、兄が私の携帯から圭吾の着信を削除したことを白状した。

兄は私が遊ばれて捨てられたのだと圭吾に対して怒りが収まらなかったらしい。

しかし、圭吾には会っていないと言う。

「心配かけてごめんねお兄ちゃん。忘れようとしたんだけど身体が心が悲鳴をあげてるの。
取り返しがつかないほど彼が大好きなの。
ちゃんと逃げないで話あってみる。ありがとう」

夜になったら圭吾に電話をしてみよう。

そう決めたら心が軽くなった。

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