仮眠室で愛を叫べば
あれは一週間前のことだ。

定期的に行っている腔外の女子会。

今回は結婚が決まった長田先生のお祝いの飲み会だった。

酔い潰れた長田先生を迎えにきた佐久間先生に、私たちは陰でいろいろ協力したことを話、先生の友達との合コンセッティングをお願いしたのだ。

その時私が思わず口にしたらのが宮前先生の名前だった。

佐久間先生が仲良くしているドクターの一人だが顔さえ私は知らなかった。

大勢の女性と一夜をともにしていた佐久間先生は、いちいち相手が誰だったかなんて覚えてはいないんだろう。

それでも私は万が一覚えられていたら…そんな思いから思わず口にしたのだ。

「先生、合コンセッティングお願いします。

同期のイケメン集めてください。

ちなみに私は放射線技師の宮前先生狙いです」
と。

今その宮前先生が私の目の前に座っている。

まじまじと私は宮前先生の整った顔を見つめた。
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