仮眠室で愛を叫べば
眠れなかった。

明日が来るのが怖かった。

23時巡回にきた看護師さんが耳元でささやいた。
「岡本さん、起きてる?」

この声は…
「高橋さん?」

「しーっ。静かに起きれる?
この間の約束。仮眠室の神様にお願いに行こう。」

私は小さく首をふる。
「お願いはもうないから大丈夫です」

「うそ。あるでしょ?
ねぇ、岡本さん、大好きなら何があっても手離しちゃだめだよ!
せっかく服部先生が助けた命なんだよ。幸せにならなくちゃ」

暖かい手が私の手を掴む。
「行こう?」

もうは一度優しく促されて私はベットをそっと降りた。
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