仮眠室で愛を叫べば
背中を押されて医局の奥、真っ暗な仮眠室に入り静かに扉を閉めた。

「仮眠室の神様…
私本当は別れたくない…
圭吾が大好きなの。
やっぱりまた取り返しがつかないくらい好きになっちゃった。

私は宮前圭吾が大好きです!!」

「俺もだよ」

仮眠室の奥から声が聞こえる。

静かに近づく人の気配にビクンと跳ね上がる。

「俺は別れるつもりはないんだけど。前回も、今回も勝手に決めて。俺はとっくに取り返しつかないほど恵を愛してる」

そういうと、そっと握られた左手の薬指にひんやりした感触がしてそれが指輪だとすぐに気がついた。
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