仮眠室で愛を叫べば

エピローグ

七月吉日、よく晴れた青空をピンクと白のブーケが舞う。

長田先生から投げられたブーケ。

私の手元に収まると高く掲げて

「佐久間先生ー、長田先生ー、次は私が幸せになりまーす!」

と大声で叫ぶ。
くるりとブルーのフォーマルドレスを翻し圭吾のもとに走りよってそのままぎゅっと抱きついた。

「お前遠慮しろよ。
もう幸せにしてるはずだけど?」
そういいながら、ふっと私の好きな笑顔で優しく見つめる。

私たちは退院とともに入籍した。
式は私の誕生日に挙げることが決まっている。


記憶はやっぱりいまだに戻ってはいない。
でも大丈夫。
仮眠室で神様に愛を叫んだから。
私たちはもっともっと、幸せになるんだ。


    ー完ー
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