君の罠 【改訂版】
一学期と変わらず明るくハイテンションなグループの中で、いつも静かに椅子に座り、ただ会話を聞いている彼の姿を、気づかれないように視界の端に映した。
だけど、まるでその瞬間を待っていたように、顔を上げた彼の視線が私を捕らえるから、胸がきゅっと高鳴った。
「おはよう、一ノ瀬さん」
「ハル君、おはよう」
青山ハル君。私の好きな人。
贅沢なことに私は、ハル君と同じ友達グループにいる。
正確には、美紀と悠子と私の女子グループと、村上君、玲くん、よっしー、里中君、そしてハル君の男子グループに分かれているのだけれど、悠子と村上君が付き合っていることで、ひとつのグループみたいになっている。
「一ノ瀬さん、短いのも似合うね」
ハル君が私を見上げながら言う。
「あの、ありがとう。ありがちなボブだけどね」
頬に触れる髪を耳に掛けながら、私はどうにか平然を装って答える。
だけどすぐに、褒められた嬉しさから視線が泳いでしまう。
「俺は好きだよ、その髪型」
ハル君の言葉に、つい視線が重ねてしまう。
綺麗に口角を上げるハル君に、心臓がまた高鳴る。
「おい、ハル!朝から緑ちゃん口説くなよ!」
「モテる男はやらしいね~」
わたしとハル君のやりとりに気づいた村上君たちの揶揄う言葉に、私はどうにか笑顔を作るけれど、止まってくれない心臓の音に、制服の胸元をぎゅっと掴んだ。
だけど、まるでその瞬間を待っていたように、顔を上げた彼の視線が私を捕らえるから、胸がきゅっと高鳴った。
「おはよう、一ノ瀬さん」
「ハル君、おはよう」
青山ハル君。私の好きな人。
贅沢なことに私は、ハル君と同じ友達グループにいる。
正確には、美紀と悠子と私の女子グループと、村上君、玲くん、よっしー、里中君、そしてハル君の男子グループに分かれているのだけれど、悠子と村上君が付き合っていることで、ひとつのグループみたいになっている。
「一ノ瀬さん、短いのも似合うね」
ハル君が私を見上げながら言う。
「あの、ありがとう。ありがちなボブだけどね」
頬に触れる髪を耳に掛けながら、私はどうにか平然を装って答える。
だけどすぐに、褒められた嬉しさから視線が泳いでしまう。
「俺は好きだよ、その髪型」
ハル君の言葉に、つい視線が重ねてしまう。
綺麗に口角を上げるハル君に、心臓がまた高鳴る。
「おい、ハル!朝から緑ちゃん口説くなよ!」
「モテる男はやらしいね~」
わたしとハル君のやりとりに気づいた村上君たちの揶揄う言葉に、私はどうにか笑顔を作るけれど、止まってくれない心臓の音に、制服の胸元をぎゅっと掴んだ。