嘘つきは恋の始まり!?



授業中だからか
屋上には誰もいなかった。

ふたりきりだ。


「…話って」

「有名だから知ってると思うけど
俺ってモテるんだよね」


どうしよう。
初耳だ。

私がポカンとしていると
黒瀬さんは目を見開いて


「え?知らない?」


と聞いてきた。

はい、全く知りません。
私は頷く。


「いやー、まだまだ
だったかー」


黒瀬さんは頬を掻き
それから


「まぁ、入学してすぐの頃から
学年問わずいろんな女子に
告白されててさ」


とポツリと言った。
そういえば前に親友・絢(あや)が
そんな人がいる、
みたいなことを言っていたかも。

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