嘘つきは恋の始まり!?
何となくわかってはいたけど
隠し事って難しいし
罪悪感しかない。
なんて思っていたその時――
「えっ」
絢が声を上げた。
と同時に、
ポン
肩を叩かれる。
「美桜、後ろ!」
絢の声は悲鳴に近い。
後ろ?
振り返ると
そこに黒瀬さんが立っていた。
「あ、黒瀬…」
「いい加減、
名前で呼べって
言ってんだろ」
名前を呼び掛けた途端
黒瀬さんが私を遮る。
「えっと…うぅ…
い、伊織…くん」