嘘つきは恋の始まり!?
案の定というか
歓声を上げる女子の群れの
真ん中には
伊織くんがいた。
「あっ、美桜」
伊織くんが声を上げる。
ギロッ
効果音が聞こえそうな勢いで
女子の視線が一斉に
私に注がれた。
「ごめん、カノジョ来たから」
伊織くんはそう言って、
女子の群れを掻き分け
近づいてきた。
「本当に伊織くんって
モテるんだね」
私が言うと
伊織くんは目を瞬かせ
「信じてなかったの?」
と残念そうに言った。