嘘つきは恋の始まり!?
抜けて来たって…
何してんの?
バカじゃないの?
それに住所勝手に教えるなんて
明日絢に会ったら
ちょこっと怒っちゃおう。
「早く開けて」
せっかく来てくれたのに
追い返すのは申し訳なくて
私はドアを開けた。
「何か食べた?熱は?
上に羽織らなくていいのか?」
家に上がってすぐ
伊織くんは母親みたいなことを言う。
「…伊織くん、オカンじゃん」
「うっせ。こっちは
心配してんだぞ」
「ありがと」
伊織くんって思ってたより
優しいんだな。
なんて思ってると
私のおなかが空腹を告げる。
「う…」
「朝ごはん食べてないの?」